ダニ・ロドリック
資本移動の自由、為替の安定、中央銀行の金融政策の独立性、の3つを同時には達成できない、というのが、国際金融のトリレンマだが、基本的に日本は為替の安定を犠牲にすることで、資本移動の自由と、中央銀行の金融政策の独立性を確保している、ということになっている。もっとも、為替は、介入することで、ある程度望ましい水準まで操作することができる。
しかし、金融のグローバル化と、市場型間接金融という仕組みの下で、資本移動の自由が過剰になった結果、日本は、為替の安定のみならず、中央銀行(日銀)の金融政策の独立性も、確保できなくなっているのではないか?
とはいえ、米国が利上げに向けて歩を進めるなか、日本は利上げなど遥か彼方。
日銀は、インタゲを言い訳にして、政府の打ち出の小槌と化し、超低金利政策から抜け出せない、自縄自縛になっている。
加えて、ダニ・ロドリックが唱える、ハイパーグローバリゼーションと、民主主義と、国民的自己決定の3つを同時には達成できない、という説に従えば、日本は、国民的自己決定を犠牲にしている、と言える。
従って、保守界隈が、日本の国としての自己決定を声高に叫ぶのも、論理的必然性がある、と言えるかもしれない。
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