2022年3月10日木曜日
2022/3/9 日経新聞
原油を始めとした資源価格の高騰は、それだけ実質的な円安を招く虞がある。実質的な円の購買力が低下すれば、賃金の上昇も難しい。東日本大震災以降、エネルギー源を化石燃料にシフトした日本にとっては、それだけ円の購買力の低下は負担増であり、それを背景とした貿易赤字の拡大による経常収支の赤字は、財政の健全化にも脅威となる。台湾企業の半導体工場を熊本に誘致したように、工場を日本国内に回帰させる動きも見られるが、日本自身が半導体製造においていまだ部分的に重要な役割を担っているように、サプライチェーンはグローバルに多様性が存在したほうが、好ましい。無理に工場を国内に誘致しても、ハイテク企業は、お互いを切磋琢磨できる知的環境に集積する。日本企業も海外直接投資によって海外の子会社からの利子・配当を始めとした第一次所得収支が経常収支の黒字を支えてきたが、ロシアのウクライナ侵攻によってヨーロッパの経済が打撃をこうむれば、その影響は免れない。
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