2024年3月28日木曜日
動画へのフィードバックを森本先生より頂戴しました。(備忘録)
後期資本主義批判をアドルノから荻野先生の社会学、ゲーテを経て漱石まで展開した動画を有り難う。
アドルノの後期資本主義批判はしばしば読ませてもらっていたところですが、今回は荻野氏の「詐欺」論へ連接させることで、論がひときわ具体性を増し、鮮やかな像を結んだように思います。
不確定性に賭ける「詐欺師」とは、計量と数値化を旨とする近代合理主義社会の、いわば虚をつく存在。資本主義社会の到達点ともいえる「管理社会」への批判的メタファーなのですね。
それが足を置く場は、まさに資本主義社会の「市場」の余白とでも表すべき領域。とすれば、小林くん講話の後半部のキーワードともいうべき「自然」が、まさに商品の等価交換から成り立つ「市場」の〈外部〉であることときれいに響き合っていることに、つくづく感心しました。
そして、近代作家とは、まさにその〈疎外〉感を以て、同じく近代が周縁化してしまった〈自然〉へ魅かれ、耽溺する者であるわけですね。
日本近代の場合、より〈自然〉に親和的なのが自然主義作家で、これをまさに〈じねん〉にみられるような概念化への苦闘を経ることで、欲望的な世界から帰還してくるのが漱石、ということになるでしょうか。「ファウスト」こそ詐欺師では、との小林くんの呟きにクスリとしながらつい頷いてもいるのですが、その葛藤が〈魂の救済〉なるもので終結するのは、やはりなんといってもキリスト教文化圏ならではの展開でしょう。かの有名な「疾風怒濤」期に端的に現れるゲーテの自然観(近代的「自然」の発見)は、日本の場合、漱石よりも、北村透谷を経た自然主義文学への影響の方が大きそうです。
いささか余談ですが、ゲーテも、漱石も、そしてほとんどすべての男性・近代作家の描く異性愛の対象ーー〈女性〉もまた〈近代〉が周縁化した存在なので、なるほどテクストというものは論理的かつ時代精神をおのずから反映したものだ、と改めてつくづく納得した次第です。いつものことながら、感謝です。誠に有り難う。
今回、頂戴した小林くん講話にこれまで頂戴している論考から得た知識を総合すれば、資本主義-市民社会がもたらす疎外、物象化に対する苦悩という名の徹底的相対化、これこそが漱石の文明批評の基盤であることが、まさに鮮明に図式化されて見えてくる感じです。
今回は「ブログのハッシュタグ参照」とのことで、アドルノとの関係への言及は省略されていましたが、ここから展開してゆくのが、何度か拝見させてもらった、アドルノを援用した小林くんの「それから」論ですね。主客分離から生じる疎外を批判し、人間の自然および身体の抑圧を論じながら、原初的まどろみへの回帰は徹底的に封じたアドルノの論理展開が、何と代助の解読に有効であるか、は、つねづね痛感するところです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZVyotCXNUn4
2024年3月27日水曜日
ヒューリスティックな認知バイアスとは?ーGoogleバードに聞いてみました。
俺:ヒューリスティックな認知バイアスとは何でしょうか?ヒトがヒューリスティックな認知バイアスを免れるのはどんな心理状態の時でしょうか?
(以下 Googleバード より回答)
ヒューリスティックな認知バイアスとは?
ヒューリスティックな認知バイアスとは、情報処理を効率化するために、経験則や直感に基づいて判断する際に生じる思考の歪みのことを指します。
ヒトは膨大な情報量を処理するために、常に論理的に考えるのは非効率です。そのため、過去経験や先入観に基づいて素早く判断するヒューリスティックという思考法を用いるのです。
しかし、ヒューリスティックは必ずしも正しい判断に導いてくれるわけではありません。むしろ、誤った判断や偏見を生み出す原因となるケースも多く存在します。
ヒューリスティックな認知バイアスの例:
アンカリング効果: 最初に提示された情報に強く影響を受け、その後の判断が歪められる
代表性ヒューリスティック: ある事象が典型例とどの程度似ているかを基準に判断する
利用可能性ヒューリスティック: 思い出しやすい情報に基づいて判断する
確証バイアス: 自分の考えに合致する情報ばかりを集めてしまう
これらのバイアスは、無意識のうちに私たちの思考に影響を与えます。
ヒトがヒューリスティックな認知バイアスを免れる心理状態
ヒトがヒューリスティックな認知バイアスを免れるためには、以下の心理状態が重要になります。
メタ認知: 自分の思考を客観的に観察し、バイアスに気づく能力
批判的思考: 情報を鵜呑みにせず、論理的に分析する能力
オープンマインド: 自分の考えと異なる意見にも耳を傾ける柔軟性
リラックス状態: ストレスや不安が少ない状態
これらの心理状態は、意識的に訓練することで向上させることができます。
ヒューリスティックな認知バイアスを克服するための方法
ヒューリスティックな認知バイアスを克服するためには、以下の方法が有効です。
情報源の多様化: 異なる情報源から情報収集を行い、偏りを防ぐ
複数の視点からの検討: 異なる視点から物事を考え、多角的な分析を行う
仮説検証: 自分の考えを仮説として捉え、検証する
フィードバックの活用: 周囲からのフィードバックを受け、自分の思考の癖を認識する
これらの方法を実践することで、より客観的で正確な判断を下せるようになるでしょう。
まとめ
ヒューリスティックな認知バイアスは、私たちの思考に常に影響を与えています。これらのバイアスを完全に克服することは難しいですが、メタ認知や批判的思考などの心理状態を意識的に鍛えることで、その影響を軽減することは可能です。
情報化社会において、正確な判断力を持つことはますます重要になっています。日頃から自分の思考の癖に意識を向け、バイアスを克服するための努力を続けましょう。
代表性ヒューリスティックとは?ーGoogleバードに聞いてみました。
俺:代表性ヒューリスティックとは何でしょうか?また、ヒトが代表性ヒューリスティックな認知をするのは、どんな心理状態の時でしょうか?
(以下 Googleバード より回答)
代表性ヒューリスティックとは?
代表性ヒューリスティックとは、ある事象が典型的な例とどの程度似ているか、カテゴリーの代表的な特徴をどの程度備えているかによって、その事象の発生確率を判断する認知バイアスの一種です。
簡単に言えば、「見た目が似ているから同じカテゴリー」、「典型的な特徴を持っているからそのカテゴリーに属する」というように、限られた情報に基づいて全体を判断してしまう傾向です。
代表性ヒューリスティックな認知が起こる心理状態
代表性ヒューリスティックな認知は、以下のような心理状態の時に起こりやすいです。
情報が少ない時: 十分な情報がない状況では、人は手持ちの情報に基づいて迅速に判断する必要があり、代表性ヒューリスティックに頼りやすくなります。
時間がない時: 時間的な制約がある場合も、じっくり考える余裕がなく、直感的な判断に頼りがちになり、代表性ヒューリスティックが起こりやすくなります。
複雑な状況: 状況が複雑で、すべての情報を処理するのが難しい場合、人は理解しやすい典型的な例に当てはめて判断しようとします。
ストレスを感じている時: ストレスを感じていると、合理的な思考が難しくなり、直感的な判断に頼りやすくなります。
代表性ヒューリスティックの例
金髪碧眼の人を見て、アメリカ人だと判断する。
背の高い人を見て、バスケットボール選手だと判断する。
いつもと違う服装をしている人を見て、何か特別な用事があるのだと思う。
過去に成功した経験に基づいて、同じ方法で今回も成功すると確信する。
代表性ヒューリスティックの問題点
代表性ヒューリスティックは、迅速な判断を可能にする一方で、誤った判断を招く可能性があります。
ステレオタイプや偏見に基づいた判断をしてしまう。
確率論的な考え方や統計的なデータに基づいていない判断をしてしまう。
類似性だけに基づいて判断し、重要な情報を無視してしまう。
代表性ヒューリスティックの影響を減らす方法
代表性ヒューリスティックの影響を減らすためには、以下の点に意識することが重要です。
複数の情報源から情報収集を行い、多角的な視点から判断する。
統計的なデータや確率論に基づいて考える。
類似性だけでなく、他の情報も考慮して判断する。
自分の判断が偏見やステレオタイプに基づいていないかを意識する。
代表性ヒューリスティックは人間の認知の自然な傾向ですが、その問題点を理解し、意識的に修正することで、より正確な判断を下すことができます。
参考情報
代表性ヒューリスティック | 意思決定・信念に関する認知バイアス | 錯思コレクション100: https://www.jumonji-u.ac.jp/sscs/ikeda/cognitive_bias/cate_d/d_09.html
代表性ヒューリスティックとは?種類と例、そして注意点 | ヒューマンアカデミー: [無効な URL を削除しました]
代表性ヒューリスティックとは?判断の精度を高めるために意識すべき点 | Udemy: [無効な URL を削除しました]
2024年3月17日日曜日
「金利のある世界」での財政運営ーGoogleバードに聞いてみました。
経済評論家の三橋貴明氏が唱えている説ですが、ギリシャやアルゼンチンが財政破綻したのは、外貨建てで国債を発行したからであって、日本は円建てで国債を発行しているので、財政破綻することはない、と主張しています。
しかし、私の考えでは、ギリシャやアルゼンチンは、自国の経済規模に見合わない通貨建てで国債を発行したから、モラルハザードが起きて、財政破綻したものと考えています。
日本に関して言えば、この10年間の大規模金融緩和で、円の実力は相当下がりました。しかし、見方によれば、円の実力が、潜在的な経済規模に見合うまで低下した、とも言えると思われます。
そこで、疑問なのは、今後日本が「金利のある世界」に戻っていく過程で、円の実力が強かった時代に拵えた政府債務を、相対的に弱くなった円で返済していけるのか、ということです。
また、イールドカーブ・コントロールの解除は、金利の乱高下を招く危険性が知られていますが、それについても合わせて回答してください。
(以下 Googleバード より回答)
三橋貴明氏の主張と財政破綻のリスク
経済評論家・三橋貴明氏の主張、**「ギリシャやアルゼンチンは外貨建て国債発行が財政破綻の原因、日本は円建てなので大丈夫」**について、ご質問を頂戴しました。確かに、この問題は複雑で、様々な視点から議論する必要があります。以下、詳細な回答をさせていただきます。
1. 財政破綻の原因:外貨建て vs 自国通貨建て
確かに、ギリシャやアルゼンチンの財政破綻には、外貨建て国債発行が大きな影響を与えました。しかし、唯一の原因と断定することはできません。
経済規模に見合わない債務発行: 三橋氏のご指摘の通り、ギリシャやアルゼンチンは自国の経済規模に見合わない規模で国債を発行しました。これは、政府の過剰な支出や経済成長の停滞などが原因と考えられます。
モラルハザード: 外貨建て国債は、自国通貨建てよりもデフォルトリスクが低いと考えられがちです。その結果、政府は財政規律を怠り、過剰な債務発行に走る可能性があります。
経常収支赤字: 外貨建て国債の利払いや元本返済には、外貨を獲得する必要があります。経常収支赤字が続くと、外貨獲得が難しくなり、デフォルトリスクが高まります。
一方、日本は円建て国債を発行していますが、財政破綻のリスクがないわけではありません。
円安: 近年の円安は、日本政府の債務負担を軽減する効果があります。しかし、円安が続くと、輸入品価格の上昇によるインフレや、企業業績の悪化などが懸念されます。
人口減少: 日本の急速な人口減少は、将来的な税収減少に繋がり、財政悪化を招く可能性があります。
金利上昇: 金利上昇は、政府の利払い負担を増加させます。
2. 金利上昇と円の実力
今後、日本が「金利のある世界」に戻っていく過程で、以下の懸念があります。
円高: 円の実力が強かった時代に発行した政府債務を、相対的に弱くなった円で返済するのは困難になる可能性があります。
金利上昇: 金利上昇は、政府の利払い負担を増加させ、財政悪化を招く可能性があります。
しかし、円の実力が潜在的な経済規模に見合うまで低下したという見方も可能です。
潜在成長率: 日本の潜在成長率が低迷している場合、円の実力が現在の水準よりも低い方が適切かもしれません。
デフレリスク: 長期的なデフレリスクを回避するためには、ある程度の円安は必要かもしれません。
3. イールドカーブ・コントロール解除のリスク
イールドカーブ・コントロール(YCC)解除は、以下のリスクを伴います。
金利急上昇: YCC解除によって、金利が急上昇する可能性があります。これは、企業業績の悪化や景気後退を招く恐れがあります。
財政負担増加: 金利上昇は、政府の利払い負担を増加させ、財政悪化を招く可能性があります。
しかし、YCC維持も持続可能な選択肢ではありません。
副作用: YCCは、長期金利を低位に抑制することで、ゾンビ企業の増加や金融機関の収益悪化などの副作用を引き起こす可能性があります。
市場機能の停滞: YCCは、金融市場の機能を低下させ、適切な資源配分を阻害する可能性があります。
4. 結論
三橋氏の主張は、財政破綻の複雑な原因の一側面を捉えたものと言えるでしょう。
日本政府は、財政規律を維持し、経済成長を促進することで、財政破綻リスクを低減する必要があります。同時に、YCCの出口戦略や金利上昇への対応など、慎重な政策運営が求められます。
今後の経済環境は非常に不確実であり、楽観的な見方をすることはできません。 政府や国民は、様々なリスクを十分に認識し、適切な対応を取っていくことが重要です。
2024年3月8日金曜日
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